集団自然発光
−世界で初めて(?)撮影に成功!−

 集団自然発光は、1993年10月に初めて確認された現象です。秋の新月で大潮の夜、特定の場所に非常に多数のウミホタルが海面上で発光しながら、徐々に浜に打ち上げられてくる、という現象です。これは、何らかの原因でウミホタルが海面に浮上し、そこで波による物理的な刺激や、風による温度差刺激を受けて発光します。しかし、なぜ、特定の時期にウミホタルが集団で海面に浮上するのかはよくわかっていません。 


ドキュメント 10月10日 集団自然発光

 年に1度しか観察のチャンスがない集団自然発光、今年(1999年)は、10月9日を予定日としました。この日は新月大潮の日で、秋の新月大潮は、この日と前後数日しかありません。10月9日は、午後8時ごろから、私たちが毎年集団自然発光を観察している、通称「星の浜」(千葉県南房総。詳しい場所は研究中のためお知らせできません)でその瞬間を待ちましたが、この日は集団自然発光は観察されませんでした。

 そこで、翌日の10日も、夜から「星の浜」へ出かけることにしました。集団自然発光は、午後9〜10時頃に観察されることが多く、私(管理者)は、午後9時に「星の浜」へ到着しました。
 早速、浜に行ってみると・・・驚いたことに、ちょうどウミホタルが海面で光り始めているではありませんか。海岸線約15mくらいの幅でしょうか。無数のウミホタルがあちこちで光り始め、一部のウミホタルは浜に打ち上げられ始めました。発光するウミホタルは次第に数を増し、その様子は、私たちが行うウミホタルショーのようでありました。
 集団自然発光は約30分程度続き、ウミホタルは再び海の闇へと消えていきました。


集団自然発光
▲集団自然発光 (Fuji ISO 1600, f=4.0, 30秒露光 撮影:K.O)
実際はもっと明るく見えます。

集団自然発光
▲集団自然発光 (Fuji ISO 1600, f=4.0, 30秒露光 撮影:K.O)
写真左側が砂浜で、右側は海です。

星の浜から見た星空
▲「星の浜」から見た星空
「星の浜」の名の由来となった美しい星空です。偶然にも流れ星の撮影に成功しました。

 

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