ウミホタルショーの歴史(2)
<ウミホタルショー実行委員会によるウミホタルショー>




■第1回(1992年8月8,9日) 稲毛サティ文化ホール(千葉市)
ウミホタルショー「夢のかけら」

 ウミホタルショー実行委員会としての第1回目の公演である。第1回公演時のウミホタルショー装置は、ブロックごとにネットに配置された配線を天井から吊り下げる方法で装置の設置を試みた。しかし、予想以上に配線用ケーブルの重量があり、ネットの枠組みが配線ケーブルの重量に耐えられないという問題点が発生した。応急処置により、予定されていた規模より若干縮小したものの無事にショーは行われた。主要な移動用設備の多くがこの時に製作され、大規模な移動式ウミホタルショー装置が誕生した。
 ウミホタルショーの内容としては、幕張西高校の廃校問題(幕張西・東・北高校の統廃合問題と言われていた。)を取り上げたもの。このあたりの背景は、「本会の紹介」を参照。

■第2回(1994年1月22,23日) 稲毛サティ文化ホール(千葉市)
ウミホタルショー「遠い約束」

 第2回も幕張西高校の廃校問題を取り上げたウミホタルショーとなった。
 前回の設置方法では、ケーブルの重量にネットの枠組みが耐えられないという重要な問題点があったことから、第2回からは、会場内に工事用鉄パイプを使って「やぐら」を組み、その上にネットを乗せるという方法に変更した。こうすることにより、重量に耐えられなかった問題は改善し、かつ、工事用鉄パイプを支柱として多くの装置が設置可能になった。また、解体・撤収も速やかに行うことが可能となった。

■第3回(1995年8月22〜27日) 千葉県立現代産業科学館ガイダンスホール(千葉県市川市)
ウミホタルショー「海は光る−失われつつある光を求めて−」

 第3回は千葉県からの依頼による開催となった。そのため、廃校問題は表には出さない形での公演となった。(しかし、隠されたテーマ(=失われつつある光)として廃校問題を織り込んでいた。)
 移動式のウミホタルショー設備も順調で、ウミホタルショーの準備に関してはある程度、必要な期間が予測できるようになった。

■第4回(1997年4月5) 休暇村館山(千葉県館山市)
ウミホタルショー「ふるさとの海−ふたたび・・・・・」

 第4回目のウミホタルショーは母校幕張西高校廃校後、初めてのショーとなった。第4回は千葉県館山市にある休暇村館山の全面的協力を得て実現したものである。

 ドキュメント〜第4回ウミホタルショー

12月5日(1996年) 企画委員会
12月14日 企画説明会
 以降、脚本・音楽・ポスター作成など、各部門に分かれて準備が行われた。

4月1日(1997年) 装置搬入
 ウミホタルショーに必要な装置をすべて会場に搬送した。ショーに必要な設備はトラック一台分に相当。実はこの搬送が最初に大変な作業の1つとなる。写真はショーに必要な設備の一部。この他に工事用鉄パイプなどが多数ある。
 搬入直後の様子。会場内に必要な鉄パイプが配置される。(右写真)
4月2日 装置設営(やぐら作成)
 ショーの装置をセットするためのやぐらを組み始める。各装置や会場内の配置を考慮しながらの作業となる。
4月3日 装置設営(やぐら作成・配線設置・装置点検および補修)
 ショーの装置の土台となるやぐらが完成する。続いて、主要な配線を設置し、各装置ごとの点検及び補修が行われる。装置の中にはすでに老朽化が起こっているものもあり、念入りにチェックが行われた。右写真は主要な配線を設置した直後。一部の仕掛けも同時に設置していく。
 この日の深夜、ショーで使われるウミホタルの採取が行われた。
4月4日 装置設営(各種装置設置および補修・点検)、公開リハーサル
 この日の午前で主要な装置の設置及び点検が終了する。最終チェックを兼ねて、公開リハーサルが行われ、リハーサル終了後には最終調整と補修が行われた。下写真はメイン操作盤付近。まだ調整が終わってないため、周囲がまだ整理されていない。右写真は公開リハーサル前。配線からウミホタルを入れるビンが吊り下げられている。
 また、この日も深夜にかけてショーに必要なウミホタルの採取が行われた。右写真は採取直後のウミホタルをネットに移し、軽く手でもんで刺激を与えたところ。かなり強烈に発光するため、古いビデオカメラでも十分撮影可能だ。
4月5日 最終調整、公演
 ショー本番の公演に向けた最終調整。各装置に不備はないか、再度チェックが行われた。また、進行や台本の最終確認など、本番に向けた打ち合わせなども行われた。
 右写真は、ウミホタルショーに訪れた、元静岡大学助教授・阿部勝巳先生(右側)。
 ウミホタルショーでは、いきなりウミホタルを光らせるのではなく、物語や生演奏などを織り交ぜ、徐々に会場の照明を落としながら、クライマックスで会場を暗転させ、ウミホタルを発光させる。この発光もBGMに合わせ、数々の見せ場が存在する。ショーの最後には全装置フル稼働で会場中がウミホタルの光で満たされる。

 この休暇村館山でのウミホタルショーの模様は、日本テレビ系列「ズームイン!!朝!」で放送された。
4月6日 解体、搬出
 すべての装置が解体、梱包され、会場より搬出し、保管場所に保管された。

 4月1日の搬入から6日間、特にウミホタルショー本番までの間、一日数時間の仮眠のみでほぼ徹夜の作業が続けられた。もっとも、ウミホタルショー実行委員会メンバーは仲間で楽しみながら作業を進めているわけで、大きな楽しいイベントとしてウミホタルショーを作り上げていると言った方がいいかもしれない。

ウミホタルショー終了直後の打ち上げ。鈴木委員長の乾杯

自分たちのためだけにウミホタルショーのアンコール。写真はその直前


■ミニウミホタルショー(1997年12月20日) NHK渋谷放送局101スタジオ(東京都渋谷区)
ウミホタルショー「あの時みつめた海」

 このウミホタルショーは大規模ウミホタルショーとは違い、ミニウミホタルショーという位置づけである。このウミホタルショーはNHKで全国に生放送された。限られたスペースと時間の中で、多くの人々にウミホタルの素晴らしさを知ってもらういい機会になったと思う。
 なお、「あの時みつめた海」の「あの時」は、幕張西高校で生活したいた時、「海」は幕張西高校という意味が込められていた。放送では幕張西高校の校歌を織り交ぜたBGMに合わせたウミホタルショーとなった。



 1997年以降2004年現在まで、大規模ウミホタルショーは行われていない。しかし、またいつの日か、大規模ウミホタルショーを公演するためにメンバーが集結する日が来るに違いないだろう。それまでの間、どうか長い目で私達の活動を見守って頂ければ幸いである。

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